祝・ご出版
藤戸紘子 第一句集 『新樹光』
東京都日野市在住の同人 藤戸紘子さんの第一句集。会社を定年後、久保方子さんの指導の雉高幡句会に入会。以後十四年の作品から〈黄砂降る玄界灘のうねりかな〉〈雪豹の太き指先雲の峰〉などの秀作を選んで収めており、ぜひ一読をお勧めします。序文は田島和生主宰。文學の森発行。定価2700円(税別)
お求めは、雉HP「おたより」まで。
石井和子 『生れた時から被爆者』(原爆胎内被爆者全国連絡会編)
傍題「胎内被爆者の想い、次世代に託すもの」。昭和20年8月、米軍による広島、長崎の原爆投下で、母親の胎内で被爆した胎内被爆者らの体験記42編。この中に広島市在住の同人 石井和子さんの「未熟児で生まれて」を収める。手記によれば、原爆投下後、石井さんを胎内に宿した母親は、原爆ドーム近くで被爆した夫を探したが見つからず、勤め先の父の机付近の遺骨を持ち帰った。父親が被爆死した翌年、石井さんは未熟児で生まれ、学徒動員後の兄が病死する。和やかに暮らしていた家族が、戦争と原爆投下で悲惨な暮らしに追い込まれた実態を、〈刻まれし父の名を呼ぶ原爆忌〉などの句を交えて綴る。手記は朝日新聞広島版(令和2年12月17日付)にも紹介され、反響を集めた。胎内被爆者連絡会は、〒730-0051 広島市中区大手町5‐16‐18 大手町パルビル4階(090‐7375‐1211)
月刊 『俳句界』9月号
特別作品30句 田島 和生




