平成30年(2018)入選作品

第48回 平成30年 12月の募集

一般の部

〇鉦打つて秩父夜祭動き出す      埼玉県深谷市   潟淵 恵美子
〇重ね着の中鳴りやまず着信音     兵庫県神戸市   柴原 明人
〇キャンドルの炎静かに聖夜かな    富山県小矢部市  福江 真子

 忘年会集へば山のことばかり     埼玉県深谷市   潟淵 恵美子
 蓮根堀あふぐ筑波の峰二つ      千葉県松戸市   吉沢 美佐枝
 窓拭きの曲芸師めく年の暮      神奈川県横浜市  龍野 ひろし
 笹鳴や杉の木立の関所跡       神奈川県横浜市  龍野 ひろし
 歯にさくり今日よく出来し大根煮   神奈川県横浜市  龍野 ひろし
 南北の風吹き抜くる駅師走      富山県小矢部市  松田 文子
 手を振つて空の広さや木の実降る   富山県小矢部市  西野 可代子
 寒林や運河に灯瞬きて        富山県富山市   藤井 薫
 歴代の藩主の廟や落葉降る      富山県富山市   藤井 薫 
 晩秋や楓の赤の極まれり       石川県金沢市   金山 多美子
 鉄の急須の重き十二月        山梨県大月市   湯沢 正枝
 雪催加賀麩ほぐるる蒔絵椀      岐阜県岐阜市   石崎 宗敏
 古民家の大うつばりや炉火明り    岐阜県岐阜市   辻  雅宏
 鷹の眼は一点睨み翔つ構へ      三重県四日市市  後藤 允孝
 凍雲の色の重さを感じをり      三重県四日市市  後藤 允孝
 道標は峠を指せり枯野道       京都府京都市   加藤 しげお
 明けきらぬ空に月浮く霜の朝     大阪府大阪市   木村 さよみ
 夕陽受け錆色の尾根山眠る      広島県呉市    谷本 佳子
 結露してストーブ列車津軽弁     広島県広島市   白石 正彦
 檸檬の木切れば香れり冬の雨     広島県大竹市   西亀
 雪明り飛騨の匠の鑿の音       広島県廿日市市  稲留 伸治
 残業の肩緩めたる柚子湯かな     広島県広島市   前田 節
 新聞の余白にメモる数へ日よ     広島県広島市   前田 節
 山眠るピエロは吸殻を捨てて     山口県岩国市   中原 蜻蛉

小学生の部

 日常と変わらぬ今日の大みそか    広島県広島市   前田 穣佑
 玄関のはきそうじ終え年用意     広島県広島市   前田 穣佑

第47回 平成30年 11月の募集

一般の部

〇夜の更けて夜なべ仕事を懐かしむ    富山県小矢部市  西野 可代子
〇綾取りのやうな吊り橋小鳥来る     愛知県津島市   正木 次郎
〇日矢射してなほ寂幕の冬桜       三重県四日市市  後藤 允孝
〇敷き詰めし桜紅葉の孔多し       愛媛県新居浜市  加島 一善

 湧き水を掬ひ飲みをり秋気澄む     埼玉県深谷市   潟淵 恵美子
 警策の一打ひびける冬の朝       千葉県松戸市   吉沢 美佐枝
 人影の長くなりたり秋遍路       東京都      東西 南北
 煙突の屋号覆ふや蔦紅葉        神奈川県横浜市  龍野 ひろし
 鮮やかな落葉閉ぢ込め初氷       神奈川県横浜市  龍野 ひろし
 桂湖の水の中まで紅葉山        富山県小矢部市  松田 文子
 雨上り道にびつしり黄葉かな      富山県小矢部市  松田 文子
 色変へぬ松の彼方に能登の海      富山県小矢部市  福江 真子
 短日や灯のまたたける散居村      富山県小矢部市  福江 真子
 砺波野の古刹を巡る小春かな      富山県富山市   藤井 薫
 米蔵を味噌蔵並び花八手        富山県富山市   藤井 薫
 菊香る棺の中に楽譜あり        石川県金沢市   金山 多美子
 参道のまばゆきまでの黄葉かな     岐阜県岐阜市   辻  雅宏
 洗顔の蛇口の水より冬に入る      京都府京都市   加藤 繁生
 洗濯のまだ湿りをる冬日かな      兵庫県神戸市   柴原 明人
 東雲の光まばゆし軒氷柱        兵庫県神戸市   柴原 明人
 遠足の歩幅いつもより広く       奈良県奈良市   相沢 はつみ
 帯解の石段登る手をひかれ       広島県呉市    谷本 佳子
 それぞれに読書する居間冬ぬくし    広島県広島市   前田 節
 病室の妻への電話冬の月        広島県広島市   白石 正彦
 曲がり角金柑の実の輝けり       広島県広島市   久保田 美佳
 寒風や鉄道保守の火花飛び       広島県廿日市市  稲留 伸治
 四万十に放つ小網や冬の朝       広島県廿日市市  稲留 伸治
 セーターの取れぬ猫の毛漱石忌     広島県廿日市市  永野 昌人



第46回 平成30年 10月の募集

一般の部

〇秋の蝶ビルの谷間に迷ひ込む     神奈川県横浜市  龍野 ひろし
〇夕暮れの山黒々と雁渡し       富山県小矢部市  福江 真子
〇父祖の地の渺々として夏薊      富山県小矢部市  西野 可代子
〇雨垂れを数へて眠る秋の夜      広島県広島市   久保田 美佳
〇秋晴へ叩く塵さへ美しき       広島県廿日市市  永野 昌人
〇肌寒や日曜市のナイフ買ふ      愛媛県新居浜市  加島 一善

 秋天に吸ひ込まれゆく胡弓の音    千葉県松戸市   吉沢 美佐枝
 盛りなれど十月桜しのびやか     千葉県松戸市   吉沢 美佐枝
 ターレから仰ぐ築地の後の月     東京都      東西 南北
 ダム底に暮しの跡やそぞろ寒     神奈川県横浜市  龍野 ひろし
 静やかに秋翳りをり神の峰      神奈川県横浜市  龍野 ひろし
 健康茶煮出し過ぎたる良夜かな    富山県小矢部市  福江 真子
 久々に釣り竿提げて鯊日和      富山県小矢部市  西野 可代子
 実むらさき稚児塚といふ駅に降り   富山県富山市   藤井 薫
 閉校の尊徳像や小鳥来る       富山県富山市   藤井 薫
 山峡の湖辺に寂と紅葉散る      長野県長野市   京  真如
 シャンソンを心ゆくまで夜は長し   岐阜県岐阜市   辻  雅宏
 白露に人跡ありぬ草の道       京都府京都市   加藤 しげお
 秋の蝶透ける翅もて飛びゆけり    大阪府大阪市   木村 さよみ
 初恋や路傍に咲きし秋あざみ     兵庫県神戸市   柴原 明人
 風のすすき野この世は我ひとりかな  広島県広島市   前田 節
 火の恋し電話の先の風の音      広島県広島市   白石 正彦
 月明りシャンプーの泡ひんやりと   広島県広島市   久保田 美佳
 猫の手のぴたと動かぬ放屁虫     広島県大竹市   西亀
 ひとひらの紅葉の落ちて座禅堂    広島県廿日市市  稲留 伸治
 漆黒の床に揺れけり庭もみぢ     愛媛県新居浜市  加島 一善
 禅寺の白砂へ落葉はらはらと     愛媛県新居浜市  加島 一善
 オホーツクの藍を映して秋刀魚かな  福岡県福岡市   森内 梅子

小学生の部

〇さわやかに空にかがやく金閣寺    広島県広島市   前田 穣佑

 露天風呂赤い大きな陽がしずむ    永野健長野市   倉田 いずる
 晴天や友と京都の新とうふ      広島県広島市   前田 穣佑
 

第45回 平成30年 9月の募集

一般の部

〇渓流の丸き底石小鳥来る      千葉県松戸市    吉沢 美佐枝
〇渾身の槍一投や鱗雲        岐阜県岐阜市    辻  雅宏
〇わが町に知らぬ路地あり金木犀   広島県廿日市市   永野 昌人
〇見合写真渡されてをり芋煮会    山口県岩国市    中原 蜻蛉
〇鶏頭や手斧削りの長屋門      富山県富山市    藤井 薫
〇薬袋へメモのありけり生身魂    愛知県津島市    正木 次郎

 みぎひだり声援飛んで西瓜割    埼玉県深谷市    潟淵 恵美子
 工房の木屑匂へる今朝の秋     千葉県松戸市    吉沢 美佐枝
 逆光の芒しろがねびかりかな    千葉県松戸市    吉沢 美佐枝
 工房の木屑匂へる今朝の秋     千葉県松戸市    吉沢 美佐枝
 ゆつたりと銀河流るる荒野かな   東京都       東西 南北
 湖平ら秋日を散らし投網打つ    神奈川県横浜市   中島 聖華
 水の秋一軒宿へ丸木橋       神奈川県横浜市   龍野 ひろし
 添水鳴る茶室の庭に風渡り     富山県小矢部市   松田 文子
 実むらさき薄ら色づく誕生日    富山県小矢部市   福江 真子
 身に入むや米騒動の蔵残る     富山県富山市    藤井 薫
 露ふくむ芝の輝く遺跡かな     富山県富山市    藤井 薫
 恋のうた失恋のうた夏惜しむ    石川県金沢市    金山 多美子
 蟋蟀に留守をあづけて入院す    三重県四日市市   後藤 允孝
 満月や一本道の海明り       広島県呉市     谷本 佳子
 雲のなき酷暑の道を野辺送り    広島県広島市    久保田 美佳
 集ひ来て風に飛び立つ帰燕かな   広島県広島市    白石 正彦
 小岩井の大樹震へる賢治の忌    広島県広島市    前田 節
 法師蟬カーブの先に民家の灯    広島県広島市    前田 節
 さはやかや涸沢に咲くソロテント  広島県廿日市市   稲留 伸治
 本籍に家はあらずよ雁渡し     広島県廿日市市   永野 昌人
 天の川から星の砂降るちゅらの海  福岡県福岡市    森内 梅子

小学生の部

〇宿題を終えかぶりつく白い梨    広島県広島市    前田 穣佑

 青空へ叩く太鼓や運動会      広島県広島市    前田 穣佑




第44回 平成30年 8月の募集

一般の部

〇叔父語るマンゴーの味敗戦日     埼玉県深谷市    潟淵 恵美子
〇幼児の歯型くつきり西瓜食ぶ     富山県小矢部市   松田 文子
〇打水に異人の跳ぬる笑顔かな     富山県小矢部市   松田 文子
〇青々と山美しや盆参         富山県富山市    谷  光恵
〇青田より甘き香りや朝の道      大阪府大阪市    木村 さよみ

 秋澄むや都府楼址の風のこゑ     千葉県松戸市    吉沢 美佐枝
 滝の水かたまり落ちて飛沫立つ    東京都       東西 南北
 甲高き旋盤の音秋暑し        神奈川県横浜市   龍野 ひろし
 大輪のあとの静けさ花火果つ     神奈川県横浜市   龍野 ひろし
 空蟬や松に爪立て留まりをり     富山県小矢部市   熱田 文子
 無花果のジャムの試食やカフェテラス 富山県小矢部市   福江 真子
 五百羅漢へゆるき坂道初紅葉     富山県富山市    藤井 薫
 満天の夏星降りぬ槍の峰       長野県長野市    京  真如
 蒼天の槍の秀仰ぎ清水汲む      長野県長野市    京  真如
 初秋や銀座に戻る人の波       岐阜県岐阜市    辻  雅宏
 軍曹の銘ある伯父の墓洗ふ      岐阜県岐阜市    辻  雅宏
 文化の日老眼鏡を買い替ふる     愛知県津島市    正木 次郎
 風走る湖面の涼を新たにす      三重県四日市市   後藤 允孝
 盆休み母の老眼鏡を継ぐ       奈良県奈良市    相沢 はつみ
 踊子の白き指先闇に映え       広島県呉市     谷本 佳子
 蜻蛉の人差指にとまりけり      広島県呉市     谷本 佳子
 水音と秋の初風厨かな        広島県広島市    白石 正彦
 三陸の海の昏さや海猫帰る      広島県広島市    白石 正彦
 首傾ぐレンズの中の蜻蛉かな     広島県廿日市市   稲留 伸治
 托鉢僧笠に蜻蛉が止まりけり     広島県廿日市市   永野 昌人



第43回 令和30年 7月の募集

一般の部

〇峡の湯の山百合香る長廊下     富山県小矢部市  松田 文子
〇暫くは手に溢れさす岩清水     三重県四日市市  後藤 允孝
〇捕まへるまでの夢中やあげは蝶   兵庫県神戸市   柴原 明人
〇美ら海の青きに外すサングラス   広島県廿日市市  稲留 伸治

 黒潮の波が岩打つ夏来たる     埼玉県深谷市   潟淵 恵美子
 海水浴足に絡まる玉藻かな     埼玉県深谷市   潟淵 恵美子
 雨宿り濡れ来しひとの肌透けて   東京都      東西 南北
 朝顔やトタンの錆びし農具小屋   富山県小矢部市  福江 真子
 リハビリを続ける窓に牽牛花    富山県富山市   藤井 薫
 廻廊に風の涼しき御坊かな     富山県富山市   藤井 薫
 高原に鈴蘭かをり風澄みぬ     長野県長野市   京  真如
 ひそやかに散るえごの花踏みかねし 長野県長野市   京  真如
 大夕焼火の見櫓に半鐘に      愛知県津島市   正木 次郎
 薫風や竹林太き京の寺       愛知県津島市   正木 次郎
 炎天や手配写真の色褪せて     三重県四日市市  後藤 允孝
 故郷の驛舎なつかし立葵      大阪府枚方市   小島 文郁
 街道は熊野に続く蟬しぐれ     奈良県生駒市   木挽 弘志
 日を受けてサイダーの瓶翡翠色   広島県呉市    谷本 佳子
 つみたての枇杷の実香る遺影かな  広島県広島市   久保田 美佳
 海峡はうねりと知るる烏賊釣火   広島県広島市   白石 正彦
 灯台の白壁もゆる夕焼かな     広島県廿日市市  稲留 伸治
 雑巾のからから乾く西日かな    広島県廿日市市  永野 昌人
 江ノ電の窓を流るる四葩かな    愛媛県新居浜市  加島 一善


第42回 平成30年 6月の募集

一般の部

〇梅雨兆す濃き紅殻の仁王門     千葉県松戸市   吉沢 美佐枝
〇珠洲焼の大瓶据うる夏館      富山県富山市   藤井 薫
〇六月や打敷替へて花供ふ      富山県富山市   谷  光恵
〇草のなか十薬の白混ざりけり    富山県小矢部市  福江 真子
〇手品師のやうに口より枇杷の種   広島県廿日市市  永野 昌人
〇梅雨晴間空と海とが融け合へり   広島県広島市   久保田 美佳

 水とんの献立妣に敗戦日      埼玉県吉川市   石井 かずお
 山頂にひびく歌声若葉風      埼玉県深谷市   潟淵 恵美子
 さらさらと植田へ早き流れかな   埼玉県深谷市   潟淵 恵美子
 石走る白一条の滝涼し       千葉県松戸市   吉沢 美佐枝
 花茣蓙の跡肘につけ昼寝覚     神奈川県横浜市  龍野 ひろし
 パン焼ける匂ひに目覚め夏の朝   富山県小矢部市  福江 真子
 燕の子物干竿に来てをりぬ     富山県小矢部市  松田 文子
 紫蘇もんで吹きぬける風香りけり  富山県小矢部市  西野 可代子
 早苗田にアルプスの水きらめきぬ  長野県長野市   京  真如
 蜘蛛の囲の雨粒光る朝かな     岐阜県岐阜市   辻  雅宏
 包む手の光幽けし初螢       岐阜県岐阜市   辻  雅宏
 身の幅に風を送れる扇子かな    三重県四日市市  後藤 允孝
 巣の縁に並ぶ子燕梅雨晴間     大阪府大阪市   木村 さよみ
 ならまちに墨を買ひけり梅雨夕焼  奈良県生駒市   木挽 弘志
 不揃ひの青梅浸すポリバケツ    奈良県生駒市   木挽 弘志
 油絵の凸凹向日葵の形       奈良県奈良市   相沢 はつみ
 夕虹やむかひの島の山頂に     広島県呉市    谷本 佳子
 サングラスたたんで裾野見渡せり  広島県呉市    谷本 佳子
 ゆく子らの手に七色の氷菓子    広島県大竹市   西亀
 梅雨晴間風の眩しき交差点     広島県大竹市   西亀
 来島の橋脚聳え男梅雨       広島県廿日市市  稲留 伸治
 夏帽子押さへて走る女の子かな   愛媛県新居浜市  加島 一善

第41回 平成30年 5月の募集

一般の部

〇藤の花見上げ窓辺にミシン踏む   神奈川県横浜市 龍野 ひろし
〇夏に入る路地に小さき床屋かな   富山県富山市  藤井 薫
〇青田風棚田一枚づつ渡る      三重県四日市市 後藤 允孝
〇十一階作る足場や若葉風      大阪府大阪市  木村 さよみ
〇表札に二つの苗字柿若葉      広島県廿日市市 永野 昌人
〇風鎮の壁擦る音や夏座敷      広島県廿日市市 永野 昌人

 新緑の葉擦れの香聞きにけり    北海道札幌市  葛尾 智
 ホームラン雀隠れの内に消え    埼玉県深谷市  潟淵 恵美子
 夕映えの九十九里浜卯波立つ    千葉県松戸市  吉沢 美佐枝
 春筍を堀にし穴につまづきぬ    富山県小矢部市 西野 可代子
 散居村夕日に染まる植田かな    富山県富山市  谷  光恵
 カーネーション三人娘に手渡され  石川県金沢市  金山 多美子
 石走る雪解の水の光り散る     長野県長野市  京  真如
 弟も声変はりせし花は葉に     愛知県津島市  正木 次郎
 夏めくや塗り替へられし海の家   三重県四日市市 後藤 允孝
 朝まだき掃き出されつつ蟇の鳴く  兵庫県神戸市  柴原 明人
 薫風や自転車を漕ぐ大腿筋     奈良県生駒市  木挽 弘志
 兄の手を真似てくるくる粽解く   広島県呉市   谷本 佳子
 マーガレット静かに揺るる墓地の丘 広島県広島市  久保田 美佳
 夏蝶のもつれもつれて空の青    広島県広島市  白石 正彦
 上ふたつ外すボタンや夏のシャツ  広島県広島市  白石 正彦
 八朔の花の香れる丘に立つ     広島県三原市  石井 幸美
 若筍煮少し甘めの母の味      広島県三原市  石井 幸美
 亀の子の喰らふ姿の猛きかな    広島県大竹市  西亀
 足音に小鉢波立つ目高かな     広島県大竹市  西亀
 皮捲るごとに香れり真竹の子    広島県廿日市市 稲留 伸治
 竹の子を茹でて待ちたる子の帰り  広島県廿日市市 稲留 伸治







第40回 平成30年 4月の募集

一般の部

〇岩礁のおのおのに名や春の潮     埼玉県吉川市  石井 かずお
〇杉菜萌ゆ運河を下る観光船      富山県富山市  藤井 薫
〇初蝶や静かに刻の移りゆく      三重県四日市市 後藤 允孝
〇水筒の蓋に磁石や鳥帰る       広島県廿日市市 永野 昌人
〇太平洋ここに始まる浜大根      広島県広島市  白石 正彦
〇この時も地球は自転つばくらめ    広島県広島市  白石 正彦

 岩礁のおのおのに名や春の潮     埼玉県吉川市  石井 かずお
 鶯の鳴ききらぬまま飛びゆけり    埼玉県深谷市  潟淵 恵美子
 花種を迷ひ買い足す一袋       埼玉県深谷市  潟淵 恵美子
 軽やかに水繰る水車夏きざす     千葉県松戸市  吉沢 美佐枝
 あたたかや六区の裏に洋食屋     神奈川県横浜市 龍野 ひろし
 感嘆の声乗せ行けり花見舟      神奈川県横浜市 龍野 ひろし
 蘖の大切株に真直ぐなる       富山県小矢部市 松田 文子
 信号をひとり待ちをり花菜風     富山県小矢部市 福江 真子
 お堀辺や桜越しなる天守閣      富山県富山市  藤井 薫
 遠足の子に番譲る望遠鏡       岐阜県岐阜市  辻  雅宏
 黒板へ絵と文字残し卒業す      愛知県津島市  正木 次郎
 パンジーの花壇もともに進級す    兵庫県神戸市  柴原 明人
 陽炎や終着駅の発車ベル       奈良県生駒市  木挽 弘志
 地獄絵図見上げてゐたる薄暑かな   広島県大竹市  西亀
 ホスピスの窓に眩しく山躑躅     広島県廿日市市 稲留 伸治
 燕や山門くぐりまた高く       広島県廿日市市 稲留 伸治
 筑紫野や右手に左手に麦青む     広島県廿日市市 今留 伸治
 海風をたつぷり入れて鯉幟      広島県三原市  石井 幸美
 初鰹迎へ旗振る久礼漁港       愛媛県新居浜市 加島 一善

第39回 平成30年 3月の募集

一般の部

〇地球儀にすれば五センチ鶴帰る    埼玉県深谷市  潟淵 恵美子
〇彫像の胸凛として春の風       石川県金沢市  金山 多美子
〇嵩ほどの重さにあらず蓬草      三重県四日市市 後藤 允孝
〇色違へ高さ違へて雑木の芽      三重県四日市市 後藤 允孝
〇ひとり減りふたり減りして花の友   広島県広島市  白石 正彦
〇家の壁這ひ上がる蔦冬ざるる     福岡県北九州市 高野 祐治

 枝くはへ烏遊ぶや春隣        埼玉県吉川市  石井 かずお
 山毛欅林根方に匂ふ春の土      埼玉県深谷市  潟淵 恵美子
 しづけさや池面に映ゆる花の影    千葉県松戸市  吉沢 美佐枝
 花辛夷はや安曇野の風和む      神奈川県横浜市 龍野 ひろし
 松の木の吊縄緩む春の月       富山県小矢部市 西野 可代子
 啓蟄の山切り崩す音ひびく      富山県小矢部市 福江 真子
 ひなあられざらりと盛られティータイム 富山県小矢部市 福江 真子
 はくれんの花の輝き空深し      富山県富山市  谷  光恵
 見はるかす雪一色の里景色      富山県富山市  谷  光恵
 お彼岸の重き生家の帯戸かな     富山県富山市  藤井 薫
 啓蟄の三和土に置かれ葱の束     富山県富山市  藤井 薫
 椀洗ふ厨にちひさシャボン玉     愛知県津島市  正木 次郎
 始発待つ無人ホームへ春の雪     愛知県津島市  正木 次郎
 「久しぶり」手話であいさつくれた春 奈良県奈良市  相沢 はつみ
 つぎつぎと車窓流るる飛花落花    広島県呉市   谷本 佳子
 黒猫の髭を揺らして春の風      広島県広島市  久保田 美佳
 春炬燵動かぬ猫に声をかけ      広島県広島市  久保田 美佳
 白魚のくの字への字や澄まし汁    広島県広島市  白石 正彦
 麻痺の手で書く字達筆春の夢     広島県廿日市市 永野 昌人




第38回 平成30年 2月の募集

一般の部

〇鉛筆の音一斉に大試験       富山県小矢部市 福江 真子
〇万象のこのしずけさや椿落つ    三重県四日市市 後藤 允孝
〇煮えばなの汁に若布のみどりかな  広島県広島市  白石 正彦
〇髪切つて春一番の大通り      広島県広島市  白石 正彦

 桜貝遠流の島の浜辺にも      埼玉県吉川市  石井 かずお
 深雪晴賢治の童話世界めき     埼玉県吉川市  石井 かずお
 綿雪を乗せた列車や上野駅     埼玉県深谷市  潟淵 恵美子
 故郷の甘さの増せる寒の水     埼玉県深谷市  潟淵 恵美子
 竹林のこぼせる日差し水温む    千葉県松戸市  吉沢 美佐枝
 看護師の探る静脈春浅し      神奈川県横浜市 龍野 ひろし
 湯殿から吹雪眺むる能登の宿    富山県小矢部市 松田 文子 
 大雪や喜ぶ子供見る大人      富山県小矢部市 西野 可代子
 城下町製茶問屋の春火鉢      富山県富山市  藤井 薫
 講堂の残る寒さや保護者会     岐阜県岐阜市  辻  雅宏
 根曲りの木々や月山木の根開く   愛知県津島市  正木 次郎
 総出なる限界村の雪囲       愛知県津島市  正木 次郎
 埋火や茶の香の残る四畳半     愛知県津島市  正木 次郎
 春眠の一の矢二の矢襲ひ来る    三重県四日市市 後藤 允孝
 閂をせし無住寺の椿落つ      三重県四日市市 後藤 允孝
 泥水に薄氷のはる散歩道      大阪府大阪市  木村 さよみ
 携帯のピピと鳴るなり鳥帰る    兵庫県神戸市  柴原 明人
 寒鯉の座禅のごとき不動かな    兵庫県神戸市  柴原 明人
 料峭や傷無数なる麻痺の杖     広島県廿日市市 永野 昌人
 白魚を躊躇もろとも飲み下す    広島県廿日市市 永野 昌人



第37回 平成30年 1月の募集

一般の部

〇黒潮の膨るる岬野水仙      千葉県松戸市  吉沢 美佐枝
〇立山の襞あざやかに初景色    富山県富山市  藤井 薫
〇凪わたる有磯の海の二日かな   富山県小矢部市 福江 真子
〇寒林の深閑とある一ト日かな   岐阜県岐阜市  辻  雅宏
〇面つけて挨拶交はす初稽古    広島県広島市  久保田 美佳
〇見えぬとも山あるらしき吹雪けり 広島県広島市  白石 正彦

 初日の出ビルの間に小さき富士  埼玉県深谷市  潟淵 恵美子
 色町の弁柄格子風花す      神奈川県横浜市 龍野 ひろし
 半纏に酒銘を負いて寒造     神奈川県横浜市 龍野 ひろし
 海に浮く朱の回廊や冬の月    神奈川県横浜市 龍野 ひろし
 御降や波止場に赤き大漁旗    富山県小矢部市 福江 真子
 酌み交はす音ぽこぽこと年の酒  富山県小矢部市 福江 真子
 そくさいな手足をなでて柚子風呂に 富山県小矢部市 松田 文子
 左右よりお酒を注がれ初笑    富山県富山市  藤井 薫
 丁寧に髪を梳きゐし初鏡     石川県金沢市  金山 多美子
 癌といふやつと一緒に年迎ふ   岐阜県岐阜市  辻  雅宏
 遊ぶ子に冬日の暮るる早さかな  三重県四日市市 後藤 允孝
 三ミリの芽の中にある花の彩   大阪府大阪市  木村 さよみ
 寒の水胃の腑に落ちる在りどころ 大阪府大阪市  木村 さよみ
 姉をまね眉描いてみる冬林檎   兵庫県神戸市  柴原 明人
 氷面鏡小さき空を跨ぎけり    広島県呉市   谷本 佳子
 豆浴びて幼泣き出す福は内    広島県三原市  石井 幸美
 吐く息に睫毛も白き寒立馬    広島県広島市  白石 正彦
 指輪して伸ばす指先初みくじ   福岡県北九州市 高野 祐治