同人作品
誌上の同人作品は、「雉笛集」「白雉集」「飛翔集」「青藍集」があり、それらは同人歴によって分けられています。
同 人 作 品 抄
令和3年 1月号
寒流の響く村越化石句碑 水野 征男
去来忌の茶席を抜ける早稲の風 中野 はつえ
牡蠣筏男を乗せて暮れゆけり 内藤 英子
初紅葉芭蕉の馬で越えし径 栗原 愛子
黒文字の秋芽の匂ふ御師の門 井上 千恵子
擬宝珠の秋芽の揃ひうすみどり 森 恒之
銀杏を沈め今宵の茶碗蒸し 伊藤 芳子
綿棒で花びら直す菊師かな 山田 初枝
川尻に鯉のひしめき草の花 柴田 惠美子
朝寒や片足立ちで穿けぬもの 秋本 三代子
柿照るや島の薬師のご開帳 大方 紀子
日の差して鏡の奥に石蕗の花 三上 節子
県北の駅に立ちたる豊の秋 松永 亜矢
風折れの松の枝切る鵙日和 藤井 亮子
高西風に船泣くごとく軋みけり 浜田 千代美
職人の父の搔込むおじやかな 中川 章
寝落ちたる子のてのひらに栗一つ 新谷 亜紀
門徒衆集ひ薪割る文化の日 今田 舞子
黄落や幼の鳴らす帯の鈴 山田 美佐子
秋日濃き方へと移り太公望 山本 逸美
日溜りの遠くなりゆく法師蟬 松宮 利秀
ついそこの川で鯊釣る夫の秋 中岡 ながれ
菊花展寺の裏より鶏の声 馬木 芳子
頼旧居二畳の書斎実南天 平岡 貴美子
しばらくは仏間開けおく十三夜 内海 英子
令和2年 12月号
石鹸のにほひ手にある良夜かな 河野 照子
川上に霧たちこめて軍馬の碑 井上 久枝
海擦つて群れ飛ぶ鷗秋夕焼 久保 方子
夕支度黄色の菊を酢に浸し 越桐 三枝子
盆僧の白き鼻緒やうす埃 中野 はつえ
庭下駄を足でさぐれり虫の中 深海 利代子
金冠のミリの研磨や秋ともし 森 恒之
旧姓を彫りし包丁柿を剝く 藤巻 喜美子
新涼や岩から岩へ水折れて 黒田 智彦
大川の直なる果てや鰯雲 秋本 三代子
大蘇鉄大き葉影の良夜かな 太治 都
冬瓜の溝に座りて太りたる 山田 由美子
人肌の匂ひありけり鶏頭花 天野 桃花
宵闇や汐上り来る波の音 三上 節子
音もなく亀泳ぎをり夕月夜 海生 典代
白百合のなだれ咲きけり浜の風 福江 ちえり
冬瓜の透きて煮上がる夕餉かな 北嶋 八重
人の死を悼みて戻る野分あと 今田 舞子
新聞を継ぎ足し包む山の芋 山下 邦子
栗落つる音に目覚むる朝かな 生田 章子
生身魂ナースキャップに手をひかれ 田子 カンナ
台風圏線路ぎはまで波頭 馬木 芳子
休眠の畑に波打ち猫じやらし 黒木 隆信
バス停は村の三叉路カンナ燃ゆ 林 暁子
小鳥来る窓に包帯干されあり 西向寺 倫子
令和2年 11月号
屋上に北斗を仰ぐ洗ひ髪 永田 由子
神の留守守りし恵比須に酒二合 水野 征男
小鳥来る木立の中に座しをれば 河野 照子
初秋刀魚こんがり焼けて一人の餉 井上 久枝
シャンソンを流して夫の魂迎へ 久保 方子
水引草影ともいへぬ影を引き 笹原 郁子
雨脚に光ありけり稲の花 黒田 智彦
残る虫灯を消してより賑はヘり 寺田 記代
庫裡裏の漬物石へ鬼やんま 清岡 早苗
コロナ禍に日はうかと過ぎ秋の声 太治 都
鉛筆の転がり落ちる夜半の秋 山田 由美子
砂の山波のさらふや星涼し 川口 眞佐子
安曇野は稲の花どき風匂ふ 中川 章
墓みちの落し文とて解かずをり 山岸 昭子
水着の子包める白きタォルかな 福江 ちえり
庭花火果てて白煙闇に這ふ 長岡 はるみ
稲光仕舞ひ忘れし三輪車 小川 誉子
学校を囲む稲穂の白ひかな 山下 邦子
葛の葉の丸ごと出小屋覆ひけり 萬代 桂子
里の田に塩辛とんぼ睦み飛ぶ 渡邉 小夜子
水口に小鮒跳ねたり落し水 村上 勢津子
秋夕焼大温室の窓高し 林 暁子
傍らに猫座りゐる夜長かな 西向寺 倫子
かあさんと夫呼ぶ声か虫の夜 山田 智子
金秋や嬰児を胸に里帰り 田口 満枝
令和2年 10月号
迎え火や遠白波のつぎつぎと 河野 照子
新しき杖を曳きゆく路地の秋 越桐 三枝子
走り来る雨脚見ゆる晩夏かな 川口 崇子
出水あと鰻を拾ふ道の上 近藤 弘子
吟詠の椅子は切株蟬時雨 上原 カツミ
夜濯の竿の水着に山の風 依田 久代
柚子坊の枝ごと折りて日焼の子 徳永 詢子
橋くぐる川瀬に秋の気配かな 寺田 記代
八月や杓文字に乾ぶ御飯粒 栗栖 英子
粗炊きの目玉こぼるる溽暑かな 木村 浩子
濁流の泥に呑まるる青田かな 石井 和子
削氷を崩す向かうに被爆川 篠崎 順子
火砕流跡の校舎へ梅雨の蝶 林 さわ子
わだつみの鳥居は朽ちて青岬 古岡 美恵子
散水機回る甘藍畑かな 鷹野 ひろえ
鮎一尾うるか少々酒二合 海野 正男
子雀の蚯蚓引き合ふ影もつれ 大葉 明美
慰霊碑に竹の皮脱ぐ月夜かな 坂口 昌一
梅雨寒や畳に残る椅子の跡 福田 澄代
今朝の秋糠床しかと息づきて 辻江 恵智子
煮豆屋の羽目板の反り梅雨長し 西村 千鶴子
捨てきれぬ文学全集黴匂ふ 井上 基子
梅雨雲の閉ざす最上の川下り 下見 博子
原つぱの三角ベース夏蓬 髙橋 努
崖崩れ山椒魚の這ひ出せり 鷹野主 政子
令和2年 9月号
瑠璃色の鵜の眼かがやく日の盛り 永田 由子
夏帽子一列に来る並び来る 河野 照子
紫陽花へ雨だれの音つづきけり 大前 幸子
仔鯨の墓を岬に花蜜柑 大前 貴之
井戸端の胡瓜の花の開きけり 二宮 英子
潮風や括りの粗き大茅の輪 笹原 郁子
産卵の泡の中なる青蛙 栗原 愛子
古里の湯殿に残る浮いてこい 杉本 尚子
流れ藻へだぼ鯊群るる佃堀 井上 千恵子
梅の実の熟れて落つるや池の底 山田 初枝
夏山を二つに割りて土砂崩れ 田中 忠夫
置き変ふる鉢の下より縞蚯蚓 木村 浩子
手の甲に残る疵あと原爆忌 児玉 幸枝
誘蛾灯命の爆ぜる音のして 大片 紀子
夏風邪の子のすすりたるかけうどん 松永 亜矢
五寸釘ほどの百足虫が夜具の上 浜田 千代美
入道雲白き灯台呑み込めり 本多 静枝
川原へと歩む宿下駄螢の夜 間野 映子
元禄の池や蛙の声したり 田中 生子
湯上りの髪拭きをれば時鳥 松本 恵和
鹿の子の跳ねゐる櫟林かな 岡田 栄子
帰省子の土産お守り札一つ 小杉 郁子
新築の礎石を走る青蚯蚓 松井 英智子
暗き水摑みあめんぼ雨催 金子 仁美
滝壺の底を真横に這ふ木の根 黒木 隆信
令和2年 8月号
改札を出るたび仰ぐ燕の子 永田 由子
梅雨晴や使ひ馴れたる椅子に居り 藤江 駿吉
葉隠れににじむ街灯走り梅雨 河野 照子
踏みしむる土の黒さや原爆忌 井上 久枝
遠き日の手紙など裂き日永し 越桐 三枝子
反芻の牛が尾を振る草いきれ 杉本 尚子
明易しラジオにコロナの患者数 藤巻 喜美子
ごみ袋溝に挟まれ梅雨出水 小林 亮文
大鯉の鰭打つ岸辺杜若 小谷 廣子
泰山木咲くや眼下に潜水艦 黒田 智彦
長病みの長き髪切る夏初め 清岡 早苗
一人棲む庭に真赤な蛇苺 児玉 幸枝
菊挿して夫の一日の暮れにけり 大片 紀子
蟻塚をよけてジョギングしてゐたり 松永 亜矢
水漬きたる舟にこぼるる桜かな 檜垣 惠子
白南風にひらく一人の握り飯 林 さわ子
濡れ縁の日の斑にはらり夏落葉 本多 静枝
節々に縋りて竹の皮乾び 今田 舞子
蝌蚪群れて田の面乱るるひとところ 今田 昌克
甘酒に披講の声の淀みなし 長岡 はるみ
新茶揉む母の仕草をまねて揉む 小川 誉子
雉の子の群れて駆けだす葎かな 為田 幸治
郵便受底に張りつき雨蛙 馬木 芳子
小魚を酢にしめ卯の花曇かな 中村 いつみ
寺町の路地を飛びけり夏燕 林 暁子
令和2年 7月号
ばらの香をマスク外して深く吸ふ 永田 由子
山梔子の花の錆びたり薬学部 水野 征男
米二合洗ふ卯の花腐しかな 河野 照子
猫の髭つくづく長しチューリップ 川口 崇子
菜の花や潮目膨れて藍深む 梅園 久夫
鰆鮨頰張りし目へ波上がる 森 恒之
ジーンズの腰に馴染めり茶摘籠 伊藤 芳子
節々の鳴り春愁のストレッチ 徳永 詢子
海に沿ふ一本道を飛燕かな 濱本 美智子
板の間に米粒拾ふ昭和の日 秋本 三代子
横たはる巨木の下を春の水 芦田 一枝
桜の葉きちんと畳み落し文 太治 都
アイロンを滑らす白衣薄暑光 海生 典代
掬ふ掌に跳べる川えびみどりの日 石井 和子
羽搏きに溢れさうなる雛つばめ 新宅 良子
倶利伽羅や旅籠の跡の山桜 福江 ちえり
石垣の桜蕊掃く竹箒 新谷 亜紀
髪にまだ残る湯の香や明易し 源 伸枝
ベランダに摘む不揃ひの苺かな 山田 美佐子
岩屑の尾根に駒草風走る 児玉 明子
春昼や茶会へ開く大手門 大葉 明美
川蟹の出入り忙しき破れ蛇籠 西村 千鶴子
夏近し磯の香強き須磨の浦 井上 基子
島便り添へて大きな桜鯛 村上 勢津子
金盞花バケツいつぱい届きたり 山田 智子
令和2年 6月号
木葉木菟鳴くや千枚田の日暮 水野 征男
立てかけし櫂のしづくや花の昼 河野 照子
つむじ風たてて山火の起ちあがる 大前 貴之
拭き上げし招き看板風光る 久保 方子
初花の寺に抹茶のみどりかな 越桐 三枝子
浜小屋の戸板に売れる栄螺かな 二宮 英子
花冷や握りばさみの鈴が鳴り 神田 美穂子
大奥でありしところの春の蕗 近藤 弘子
仏具みな磨きて春を籠りけり 小林 美成子
涅槃西風背開きに干す魚かな 柴田 惠美子
姿なき物に怯ゆる四月かな 栗栖 英子
啓蟄や重機の爪の土乾び 清岡 早苗
花冷や干潟を渡る鹿の列 芦田 一枝
日の匂ひ藁の匂ひや蝶生るる 岡本 惠美子
発電の風車の唸り花かんば 福江 ちえり
紅梅の花びらひらり脱衣籠 新谷 亜紀
岩山を行く雲の影躑躅燃ゆ 児玉 明子
藁縄の音して乾き干鰈 平岡 百合子
栄螺焼き隠岐の潮をこぼしけり 萬代 桂子
神木の裂けし根方に蟻出づる 坂口 昌一
一斗缶干す豆腐屋や朝燕 高橋 努
清明や百閒廊下走り拭く 村上 勢津子
山笑ふ連絡船の擦れ違ひ 山崎 和子
退院の夫の一歩へ春の風 山田 智子
谷間に七戸の家や桃の花 渡辺 節子
令和2年 5月号
竹籠のナイフの光鳥雲に 河野 照子
ひろしまの空青々と蝶の昼 井上 久枝
雛段に女盛りの官女かな 大前 幸子
出漁の顔触れ揃ふ焚火かな 中野 はつえ
風光る木立を鳥の移るたび 川口 崇子
鷦鷯(みそさざい)岩木嶺を雲離れゆき 笹原 郁子
刃物選る馴染の露店一の午 近藤 弘子
転がして掃くとりどりの落椿 徳永 詢子
猫抱けば草の匂ひや春隣 黒田 智彦
梅真白少年院へ続く道 寺田 記代
春光の網繕うてゐたりけり 芦田 一枝
病室のベッドに足湯春の雪 木村 浩子
ふらここの少女二人の長き足 松永 亜矢
蜥蜴出て腹暖むる石の上 水野 菊恵
竹籤を削る夫婦や夕永し 浜田 千代美
海光のあまねき街へ初燕 林 さわ子
マネキンの肌へ滑らす春ショール 古岡 美惠子
捨藁を押し上げあまた名草の芽 本多 静枝
鏑矢の楼門越ゆる追儺かな 北嶋 八重
茶が咲いて遠き島々晴れ渡る 田中 生子
土筆摘む指の力を少し抜き 新本 孝子
湾に入る真夜のタンカー冴返る 為田 幸治
冬夕焼ホームにシャドーボクシング 中村 育野
金色の招き猫買ふ午祭 鷹野 早苗
虎口より入ればあまたの落椿 一村 葵生
令和2年 4月号
ひたひたと夜のくる飾納かな 河野 照子
笹鳴や島の畑に立つ煙 井上 久枝
マラソンへ山より上る冬花火 越桐 三枝子
餅花や高い高いを喜ぶ児 中野 はつえ
髪にふれ春の霙をなりしかな 内藤 英子
古書括る主へ雪のちらちらと 井上 千恵子
寄生木の梢の上や雪解富士 藤巻 喜美子
ナフタリン吊す箪笥や春支度 依田 久代
迎春やレジのうしろの招き猫 小谷 廣子
元旦の空ま二つに飛行機雲 田中 忠夫
左義長の雨にちぎるる炎かな 藤井 亮子
どんど焼鷺の塒を照らしけり 浜田 千代美
ブラウスを縫ひ上げ春を待ちにけり 古岡 恵美子
患者食菜飯のみどりまぶしけれ 海野 正男
暗闇の焚火に映る人の影 今田 昌克
宮島の牡蠣ぷつくりと飯の上 広兼 厚子
春泥の大地踏みしめ牛立てり 岡田 栄子
灰神楽浴びてどんどの餅を焼く 小川 誉子
鶚(みさご)鳴く沖に切立ち金華山 為田 幸治
福寿草開く気配の朝日かな 中村 育野
冬終はる薬袋を捻り捨て 鷹野 早苗
大寒や濤立ち上がる奈古の海 生田 章子
春隣靴の散らばる珠算塾 後藤 かつら
笹鳴やざざと溢るる露天の湯 西村 千鶴子
かんなぎの胸元かたく着衣始 下見 博子
令和2年 3月号
ぽんと二羽ぶつかりあうて初雀 河野 照子
下北の海に灯の無き年酒かな 井上 久枝
声荒く漁夫と漁夫との御慶かな 久保 方子
北へ行く巨船が一つ去年今年 近藤 弘子
雪解川雪立ち上がり流れくる 杉本 尚子
海鼠浮く灯台下の潮溜り 伊藤 芳子
インバネスひらひらと駅出で来たる 山田 初枝
石蕗の句碑銀杏落葉の只中に 佐瀬 元子
永らへて五年日記を買ひにけり 徳永 詢子
金粉の踊る年酒を受けにけり 寺田 記代
鹿の糞こぼれ艶めく恵方道 木村 浩子
餅搗くや頭のタオル締めなほし 山田 由美子
父祖の代の梁くろぐろと嫁が君 大片 紀子
薬擂るやうに大根擂りゐたり 海生 典代
力入れ夫の背洗ふ寒の入 川口 眞佐子
徹句碑に置く焼藷とカップ酒 浜田 千代美
仏飯を下げて茶漬に大三十日 中川 章
鉛筆を吊し窯場の新暦 源 伸枝
二日早や御手洗川に鹿の顔 田中 生子
竹筒の酒を賜る年女 長岡 はるみ
冬ざれや野川細りて音もなき 山下 邦子
凍蝶のかなたに大き仏の手 山本 逸美
逆光をくる綿虫のうすみどり 青木 陽子
耳袋かけ門衛の敬礼す 林 暁子
初東風や港に止まる郵便車 山田 智子
令和2年 2月号
見上げても朴の木はなく朴落葉 永田 由子
浅春の水子の後生祈る鐘 水野 征男
落葉降る大嘗宮へいざなはれ 越桐 三枝子
暗がりに傷の匂へる榠樝の実 二宮 英子
竹林の騒ぐ北窓閉ざしけり 川口 崇子
白壁の続く酒蔵実むらさき 梅園 久夫
蒲の穂の傾ぎて絮を飛ばしたる 佐藤 泰子
大根の皮に豪雨の傷の跡 上原 カツミ
椅子固き鮪糶場の飯屋かな 森 恒之
警官に鞄覗かれゐて師走 小林 美成子
暗闇の村のをちこち干大根 小林 亮文
花石蕗や向きを替へては達磨干す 黒田 智彦
木枯や窓にくつきり子の指紋 濱本 美智子
大口を開け歳晩の歯科にをり 堀向 博子
くしやくしやの顔で泣く子や冬林檎 松永 亜矢
指先へ翅震はせて雪螢 藤戸 紘子
母の忌や厨に刻む菊膾 荒井 八千代
大根引く小さき農婦の大きな手 鷹野 ひろえ
墓終ひ読経流るる小春かな 度山 紀子
銀杏の土打つて香を散らしけり 福江 ちえり
冬りんご深く刃を入れレノンの忌 岡田 栄子
千切れ雲浮かぶ稜線冬ざるる 松井 英智子
地を掻きて地鶏の沈み秋深し 金子 仁美
極月や金の盃磨き上げ 村上 勢津子
初時雨遠嶺の遠くなりにけり 西向寺 倫子